君の寝顔を見れたから
パワージョー編
「パワージョー!! 今っ!」
の声に答えて、俺は気合一閃。相手のロボットの腕を叩き壊した。
「ホールドアップ、だぜ」
俺がそう言うと、犯人はしぶしぶながらも両手を上げた。
が腰につけていた手錠をかしゃん、と音を立てるようにつけると、ようやく地元の警察のパトカーがやってくる。
「任務完了、ってとこだな」
「そうですね」
にやっと笑うと、ふわりと微笑まれる。
の顔色が少し悪いのはたぶん、いや絶対俺の勘違いなんかじゃない。
ここ数日、建設用のロボット達が暴走するという事件を追っていた俺達ブレイブポリスは人間のたとえ言葉で言う(格言っていのか?)猫の手を借りたいほど忙しくなっていた。
まあ、その犯人は俺との二人が逮捕をして事件的には解決したが。
正直言って、ロボットの俺達でさえエネルギーの消耗が激しくて、パーツ自体もどんどん消耗しているのがわかる。
これは人間でいうと疲れてるってことに相当する。
なら人間でブレイブポリスをやっているボスやの負担は?
ボスはデッカードが健康管理してはいるが(まだ子供だし)、夜中に合体命令を受けるために呼び出すなんて事はここ数日間はしょっちゅうだし。
にしても俺達をいまだに認めていない警察上層部連中(総監は別として)と俺達との橋渡しやら、今回の事件でもかなり苦労してるんだと思う。
「てなわけで」
「へ?」
の間の抜けた声なんて初めて聞くぜ。
俺はにっと笑って見せた。
「犯人の護送はあいつらに任せて、俺達は先にかえんねえか?」
俺の指す指の先には「遅れてごめーーんっ大丈夫?」と飛んできたドリルボーイと「応援に来ました!」とチェンジするダンプソンがいた。
「寝ちまってもいいぜ」
座席に座ったは、苦笑する。
まあ、俺がデッカードやシャドウ丸みたいにパトカーじゃないから恥ずかしいのかもしれない。
なんせ、俺、パワーシャベルだから。
そう言うとは「別に恥ずかしくはないですよ」と口元に笑みを作った。
「なら、どうぞ。お休みになってくださいませ」
なんて俺がきどってそう言うと。
「うわっ、全然似合わない」
「なにをー」
ふざけた言い合いに、心地いい感じがするのはなんなんだろうな。
が、中に入ってシートに背中をくっつけるのを、俺はセンサーで感じ取る。
あ、れ?
なんでAIが熱くなるんだ?
「じゃ、じゃあ、ほ、本庁に先に帰ってっからよろしくな、二人とも!」
「うーん、判ったー」
間延びしたドリルボーイの言葉を聞きながら、俺はエンジンをつけて、高速に乗った。
は、今、俺の中で眠ってる。
本当、ブレイブポリス唯一の女性刑事は、神経が太くなったってーか。
…。
規則正しい寝息に、無防備な顔。
…。
やばい、かも。
AIが熱暴走、じゃないけど、してきたかも。
気にしなくてもいいのに、の顔を見てしまう。
「恋をしたら、その人のことが気になって仕方なくなるのよ」なんて言ったのはくるみさんだったっけ。
…ちょっと緊張してきたかも。
あずきさんは、「必要以上にあがってしまう」って。
「もしかしたら、もしかするかもな……」
そう、この感情はもしかしたら…。
恋って奴なのかもしれない。
「あ、明日っから大丈夫かな、俺」
思わず口にしてしまうけど、それでもは夢の中。
俺の態度があからさまに変わって、ちょっとした騒動がおきるけど、それはまた、別の話、
2002・05・29UP く、口調が難しかったよ、パワージョー(汗)。
CDドラマを聞いている分、もしかしたらこの子はあずきさん(勇太君の御姉さん)に惚れたかな、とか。
思ってたりするんですが、その辺どーなのよ、パワージョー!(聞くな)
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