R.O.D//:stigmata
<そしてまたSIDE〜友達ゲットだぜ!編その1〜>
宝貝の件が一段落し、溜まっていた事務仕事も何とか片付いたので、たまにはどこかに洸を連れて出かけたいなと思っていたら。
「2、3日位でしたら、お休みを作れそうですよ」
流石兵衛さん。
洸の希望を聞くと、世界で一番有名なねずみさんのいるあの遊園地に行きたいとのこと。
どうせなら、空牙の仕事全体を休みに出来ないか?と兵衛さんに聞いてみたら。1日なら、とスケジュールの調整をしてくれた。
普通に並んでも良かったんだが、いらぬちょっかいを出されるのも、という事でなんと貸切りだ。
もう本当、有能な部下を持って俺は幸せですよ。
で、空牙全員で遊園地ツアーとなりました。
皆、こういった所に来た事がないらしく、大人も子供も一緒になってはしゃいでいる。
うん。これからもこんな機会を作る事にしよう。
せっかくだから、とバベルの連中も呼んだ。確か原作じゃ、あの子達もこういう所にあまり来た事がない設定だったしなぁ。
読子とねねねも来れたら良かったんだが、仕事じゃしょうがない。また次の機会に来る事にしよう。
「すみませんさん、私達まで」
光さん(苗字呼びしてたが、名前で呼んでくれと言われたのでそうしてます。)が恐縮して頭を下げる。
その視線の先には、洸と一緒にはしゃいでいるチルドレンの3人がいた。
「んー?気にしないでくれ。こういう所は人数多い方が楽しいしな。で?何きょろきょろしてるんだ?」
「え、と。もう1人くる筈なんですが。あ!」
声をした方に振り向くと。
「悪ぃ、急患が入って遅れた」
お。
「えっと、うちに所属している医師の、賢木修二です。賢木、こちらは空牙当主・ さん」
「初めまして、賢木修二です」
「 だ」
俺が手を差し出すと、「あ、」光さんが慌てた素振りを見せた。
「・・・申し訳ありません、さん。俺は、その」
んー?あぁ。
俺は強引に賢木さんの右手をとり、握手した。
びっくりした顔の賢木さん。
『紫穂ちゃんと一緒だろ? あんた。一々気にすんなって。別に読まれても大した事考えてないし・・・威厳がないとか思われると困る、か?まぁ今更か。つーか初対面の人間に対して俺失礼?ちょっと強引だったか?』
ごく表面の部分だが、俺の思考が読まれているのが判る。
賢木さんが苦笑した。
「・・・かなり変わった、方ですね。貴方は」
「おい賢木!失礼だろう!」
「んー?あぁ、いや、気にしてねぇよ。悪いな、唐突に」
俺は手を放し、賢木さんの肩を叩いた。
「・・・こんな風に、握手してくる方は貴方で3人目ですよ。・・・さん」
「でかまわねぇよ。そんなに歳変わらねぇだろ?俺ら。俺、こっちに帰ってきてそう日がたってなくてよ。あまり同じ位の年の、男性の知り合いこっちにいないんだわ。ダチになんねぇ?」
こいつ結構好きなんだよ。実は。
原作では男だった光さんを、命がけでかばう所とか。
何があってもめげない所とか。(ああ何度もダブルブッキングしても女を誘い続けるところは賞賛に値すると思うぞ)
一回り年の違う紫穂ちゃん相手に大人気なく喧嘩する所とか。
攻撃系の能力者じゃないのに、いざとなったら体はる所とか。
つまりぶっちゃけお気に入りだったのだ。
駄目?
お伺いをたてるように肩に手をおきつつ顔を見ると。
思いっきり笑われた。
「て、訂正します。かなり、じゃなく、ものすごく、変わってますね貴方」
「おい賢木っ!?」
「敬語もなしで」
「あ、あぁ。・・・。俺も、修二でいい」
「んー」
俺はにっと笑っていた。
「今度時間作ってうちこいよ。飲もうぜ?」
「是非。」
互いにばしばし叩きあい、笑う俺達をみて光さんも笑った。
「ぱぱー?」
「ん?どーした洸」
「このおにーちゃんだぁれ?」
様子を見てくる、と光さんがチルドレン達の所に行った為、俺は近くのパーラーに陣取り、修二と話していた。ここは大人にならアルコールOKなのが嬉しいよな。
しばらくして遊び疲れたのか、洸がチルドレンと光さんを連れて俺達の所にやってきた。
「友達だ。修二、俺の息子だ。洸、修二おにーちゃんにごあいさつしなさい」
「はじめまして、修二おにーちゃん。洸です」
洸が手を差し出した。
「え、っと。初めまして、洸くん。賢木修二だ」
にこにこと笑いながら、手を差し出したままの洸。
修二はおずおずと洸の手を握り、そして頭を撫でた。
ほんの少し悲しそうな顔になったのは、俺の見間違いじゃないだろう。多分、洸の出生を読んでしまったに違いない。
…洸は知らなくても、洸を常日頃から守り愛している読子の残留思念をもレベル6なら読めてしまうんだろう。
特殊な生まれ。
人によっては触れるのをためらう者すらいるのに、愛しげに洸を撫でてくれる修二。
やっぱり好きだなー、こいつ。
痛みを知り、拒絶される悲しみや辛さを知ってなお、人を嫌いになれない。いや、ならない。
こういう強さを洸にも持って欲しいもんだ。うん。
「賢木せんせー、いつのまにさんと友達になったんだ?」
「ついさっき、俺がくどきおとした」
「さん・・・そないな趣味があったやなんて!不潔や!」
「そういう意味じゃないと思うわよ?葵ちゃん」
ふれてくる紫穂ちゃんに事情説明。
「さん、強引ね・・・」
「気に入ったもんを欲しいといって何が悪い?」
「同感だわ」
ふふふふふ。
互いに笑いあう俺達。
一気に周囲の人間がざざっとひく音がした。気がする。
「今、他の奴と回ってるけどよ、後で紹介・・・お、来た来た。和麻、操ちゃん」
「さん、ここにいたのか」
「様」
タイミングを計ったかのようにやってきた和美と操ちゃん。
「修二、こっちが八神和麻、俺のパートナー。そっちが大神操ちゃん。こいつは賢木修二、バベルのドクター。俺の友達。」
「初めまして、賢木さん。八神和麻です」
「初めまして、賢木様」
操ちゃんがお辞儀をし、和美が手を差し出す。
「初めまして、賢木修二です。八神さん、申し訳ありませんが、握手は・・・」
「何故ですか?」
サイコメトラー
「俺は、接触感応能力者ですので。失礼な事をしてしまうかもしれません」
あ。
そうだよな、和麻がだって事がばれちまう。
と思ったら。は俺と同じように強引に修二の右手をとった。
「さんが友人と呼ぶ貴方に、隠さなくてはならない事なんてありませんよ」
「同じく、ですわ。」
操ちゃんも同じように修二の左手をとる。
驚きの表情を浮かべる修二。
の事思いっきりばれたな。
それにしても。
二人とも、本当にいい女になったな。
・・・念の為。
「手出すなよ」
釘刺しとかないと。
「友達の大切な人間に手を出すほど落ちてないぜ、俺は」
「どーだか?」
手出したらただじゃおかないぞー。
「それにまだ死にたくない」
苦笑する修二。
失礼な。俺はそこまで凶暴じゃないぞ?・・・多分。
俺の顔を見て、周囲の人間達は皆笑い出した。
UP
うわあああ!! ありがとう、本当にありがとう!!
リア様から頂きました!
バベルのドクター、賢木さんとさんの出会い編を送ってくださいました。感謝、感謝。
多少、許可を得て文章修正しました。ほんとに少しだけね!
ブラウザバックでお戻りください
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