超短編/Fate


------ セイバー ------





「何だ?」

「あなたは何故そこまで強くなりたいのですか?」

「まぁ、大切な者の【盾となり剣となる】なるため」

満月を見上げて、杯を空ける。

「なんて、かっこいいもんじゃないさ。我を通すために強くなりたいだけさ」

セイバーは、後者も真実であろうが、前者も真実であろうと確信する。

大切な者を守ると言う我を通すためだと。



振り返るの唇を奪う。

一瞬であり、永遠と感じられる時間。

「ここに誓います。私は、あなたを守る剣となります」

「俺も誓おう。お前の【盾となり、剣となろう】」

二つの影はそのまま一つに・・・・・。





------ 遠坂 凛 ------



「じゃあ、今からはじめるが」

振り返り瞳を見つめる。

「凛、サポートの方をしっかり頼む」

今から行なう事の為のサポート、イメージと構成の伝達。

は両手を胸の前でパンッとあわせると、構成する物質に手をかざす。

等価交換。

彼の魔法と見違えんばかりの錬金術の必須条件。

これから創る物が完成すれば、封印指定に名を連ねかねないだろう。

彼のかざす手の際が眩き光を放つ。

そこに存在するは、一人の魔法使いが創りし一振りの剣。

宝石剣。

遠坂の求めし、至高の一つ。

それがここに姿をあらわす。

凛は、一つの至高に手が届いた。

を引き寄せ、唇を重ねる。しばらくして離れると、銀の糸が二人の口元に橋をかける。

「等価交換にしては、もらいすぎだな」

くくくっと笑う

「馬鹿、全然足りないくらいよ」

次は、軽く唇を交わす。

「察しなさい。女に、これ以上恥をかかせないの」

顔を朱に染めながら、頬を含まらせる凛。

「それでは、失礼をさせていただきますか」

二つだった影が、一つに重なる。




2008.12.24UP




------ 間桐 桜 ------



闇の空に丸い月が浮かぶ。

さん、見てください。私はこんなふしだらな女なんです」

月夜の部屋の中で、そっとスカートのすそを上げる。

そこの状態が、間桐の業が刻まれていることをあらわしている。

「いや、俺としては歓迎だけど?こんな、いい女が自分から求めてくれるなんて」

「でも、あなたに初めてをあげたかった」

泣きそうになる桜をぐっと引き寄せ、唇を重ねる。

「関係ない。それを証明してやる」

その言葉に、涙を流す。

「全てを肯定してやる。それでも気になるなら、俺が刻みなおしてやるよ」

「お願いします」

「任せろ」

影が、一つに交わる。



2008.12.30 UP

息抜きSSとして、と拍手で冬眠様より頂きました!! 
ありがとう! まさかのFateシリーズ!!
いやもう、ばんばんOKですよ!!

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