05/図鑑の空白
(後編)
タマムシジムのジムバッジは無事にGETできました。
ラストの三体目は手堅くアラゴナイトを繰り出したら、『フェザーダンス』を華麗に決めた上に、優雅に『翼で撃つ』で効果は抜群を繰り返して勝利しました。
いや、もうこの『フェザーダンス』、マジ綺麗だったですよ!
きっと最後のあの『翼で撃つ』が決まった瞬間、アラゴナイトは悦に入ってた!と思うぐらいにきらきらと輝いてたよ!!
もう前の二人のあの凶暴性あふれるバトルがうそのように…ってそれこそ嘘です、すんません。ごめんなさい。
「…育てられたポケモンを見れば貴女がどういうトレーナーか判断できる、と思っていたのですが」
「えぇっと…それは…」
「さん…。貴女は苛烈な戦闘マニアなのか、それとも華麗な戦士なのか…そして優しき母なのか。私(わたくし)、よく理解できませんわ」
エリカちゃんの言葉に苦笑いするしかないっすよ、もう。
いろいろとジム戦の後にお話し合いをした結果、あたしの人物評価を「ポケモンをかなり好戦的に育てている見掛けにはよらないトレーナー」から「まだまだ理解が出来ないけれどとりあえずはいいトレーナー(?)」にしたらしいお嬢様のエリカちゃんは小さく笑った後、必ずヤマブキのポケモンセンターに連絡を入れることを約束してくれた。
「けれど、ヤマブキの方に応援自体は出せれないかもしれないのは許してくださいね」
エリカちゃんは申し訳なさそうにそう言った。
タマムシシティの2大名物になっているデパートとゲームコーナー。
今ミナキさんたちが調べてくれているゲームコーナーが曲者で、かなりの人気が高い上に、その経営に関してはなんら問題が無い上にロケット団がこれらに関わっているという決定的証拠が無いため手が出せない。
だからと言って監視を怠るわけは行かず、さらに言えば彼らの規模がどれぐらいなのが把握できない現在、ジムのスタッフをよそに応援に行かせる余裕が正直に言えばエリカちゃんにもないのだ。
あたしはそれでも連絡を取ってなんとか力になってくれようとするエリカちゃんに頭を下げ、お土産に香水を一瓶いただいてジムを後にした。
……もうそろそろ情報収集し終わったダイゴさんとミナキさんがセンターに帰って来てる頃だから、合流しようっと。
…っていまさら思ったんだけど…ミナキさんの私服って白のマント、なのよね。基準装備…。
まさかあの格好で情報収集したのかな? いや、まさか着替えたりなんだりして、したのよね?
そういまさらなことを考えながらセンターにあたしは戻った。
あ、ついでにジムに居た全部のポケモンは図鑑で見ときました。
GETしてない空白の分、見かけたポケモンはチェック入れとかなくっちゃいけないよ。
てけてけ歩いてセンターに戻って、モンスターボールをジョーイさんに預けていたら二人が帰ってきた。
軽く挨拶して、食事を取りながら報告会をする。
結論から言うと…ミナキさんはマント着用したまま情報収集したらしいよ…ってえ? 違う?
話をシリアスに戻すと、ゲームコーナーはやっぱり噂どおりロケット団が経営していることがわかって、その潜入ルートも探ってきたとのことでした。
ミナキさん、伊達に白マントじゃないね。>関係ない。
いや、確かアニメではともかくゲームのほうではロケット団のアジトだって言うことはすぐに判ったし、それをしたことのあるあたしもきちんとそれを知ってるけれど、まず証拠がないと正々堂々と相手が出来ないし、なんで知ってんだ?って聞かれて、理由が「実は元の世界でゲームとしてこの世界があってさー、あははん♪ それであそこがロケット団のアジトなのよ〜?」なんて言えるわけがない。
あとダイゴさんのほうはデパートでの道具補充とシルフスコープの情報。
いろんな石を買ってきた上に、高い回復用アイテムのほかに戦闘中にポケモンを強化する道具も買ってきた彼は、シルフスコープの完成品がロケット団に盗まれたという情報をつかんできた。(このあたりも確かゲームであった気がする)
あたし達はポケモン達に断りを入れて、半ば回復した彼らを連れてゲームコーナーに行くことにした。
何しに行くって?
それは勿論、『ロケット団アジト、逆強襲』てやつですよ!
ゲームじゃ確かこの辺りからセンターと往復してたけど、現実的にそんなの無理だから気を引き締めていかなきゃね!!
ロケット団のアジト、というよりもゲームコーナーでまず嫌悪感が沸いたのは一部の景品にポケモンが使われてること。
ゲームじゃ別に違和感無かったけれど、今はもうなんていうかこの世界にポケモン保護法はないのか! って怒りたくなりそうになる。
それはあたしの手持ちの皆もそう考えてるっぽくて、特にダイオプサイトなんかは「ハナ〜」って呪っちゃうぞゴラァ並みに低い声を出してらっしゃるし。
もうすでに景品として表に出されたポケモン達の回収はおそらくできない。
願わくばこれでGETしたトレーナーがいい人たちでありますように。
あたしは表向きの従業員達に気がつかれないように、ロケット団のアジトに潜入した。
もう出てくる出てくる。
あのコスチュームのお兄さん、お姉さんがぞろぞろと。
監視カメラもあるっぽいけれど、今はそれをどうこうしようなんてもう思ってない。
シルフスコープと、そしてもしも表に出される前のポケモンたちが居るのであれば保護しないと!
もう総力戦で、皆気力充分で戦って戦って、戦い抜いた!(あ、なんかこのフレーズ。某格闘ガンダ◎っぽいなー)
おかげで途中でアズライトがカメールからカメックスに進化して、通路を壊しかけたり、スピネルやベリルが新しい技覚えたりといい経験をつみましたさ。
その後、途中でミナキさん(と、ダイオプサイトとヘマタイト)と分かれて、あたしとダイゴさんはシルフスコープを、ミナキさんはポケモン保護をする為に二手に分かれた。
ゲームと違うのはロケット団の首領でジムリーダー(だったはず)のサカキの姿がなくて、代わりに幹部らしい男の人が居ましたが、即効で彼がモンスターボールを繰り出す以前に取り押さえて、ダイゴさんがさわやかな笑みでシルフスコープを問答無用に奪いとった挙句、縛り上げた。
ここだけの話。
後で警察に突き出すにしろ、「僕らがタマムシシティを出た後で警察に通報しようかなぁ。スコープを今(僕らから)没収されると困るから」なんて口にして、ロケット団に「泥棒!」と言われたときのダイゴさんの、あのさわやかな笑みなんだけれど目が笑っていないままで「君達にそういう権利はないんだよ」という彼がちょーっとだけ怖かったです。
ポケモンたちも無事に保護できて、一応念のために持ってきたモンスターボールの中に彼らを入れて、あたし達はそのアジトから脱出した。
センターでポケモンたちを少しでも回復させる一方、保護したポケモンたちをどうするかをセンターからエリカちゃんに相談して、警察に口ぞえしてもらうことに成功し、マサキさんの研究所で心のリハビリをさせることに決まった。
勿論、マサキさんにも連絡入れてできるかどうかの確認は警察のほうからいれてもらった。
「ハナ、ハナハナ。ハナー(大丈夫かな。あの人間たちにいじめられてると思うから)」とクサイハナのダイオプサイトは保護したポケモンたちを心配そうに眺めていて、自分の回復も受け付けてくれなくて。
さらに言えば、ますます人間嫌いに磨きがかかったっぽい。(汗)
警察の人と一緒だし、一部のポケモンは転送して送るから平気だって言っても聞かない。
彼の好きにさせようってことで、あたしは彼に保護したポケモン達の護衛として一緒にマサキさんのところに行ってもらうことにした。
ダイもそのつもり、というか人間なんかには任せられるか!って態度で頷いて承諾して、そして彼はポケモンたちと一緒にハナダシティに行くということで準備もあってタマムシシティに残ることになった。
別れがシトリンのときと淡白なのはこれが一時的なものだから、だ。
「あの子たちのこと、よろしくね。ダイ」
「ハナ、ハナハナ〜ハナ。(任せて。他の人間には手出しさせないから)」
ちょっと固い言葉に一抹の不安を感じたけれど、その後にトパーズやアズライト、そしてアラゴナイトたちとなにやら挨拶を交わしてる彼のことだからきっと大丈夫と信じよう、うん。
さぁ、次はシオンタウンに行かなくちゃ。
おっとその前に。
「二手に分かれましょうね、ダイゴさん。ヤマブキジムの人たちと合流して、ロケット団の監視とサポート御願いします」
「…! また君と別行動かい?!」
おほほほ、実はあんたがいわゆる「黒い」人間なのはアジトで充分理解したわ。
これ以上一緒に居て、精神的恐怖を味わいながらロケット団退治ができるくわぁ!
所詮あたしは小心者。
ダイゴさん
この機を逃さず精神的圧迫から逃れることに余念のないあたしであった。
ブラウザバックでお戻りください
ピジョンのフェザーダンスは相手の攻撃を下げる技。
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