「違い・差がある2人 10のお題」
年齢
「レシィはいくつなんだ?」
僕の緑の髪をくしゃくしゃと撫でてくれながら、ご主人様が優しくいいました。
ここは町のすぐ傍にある森です。
ガルフに見つからないように来た茸狩りにご主人様は一緒に来てくださいました。
腰には双剣を装備したご主人様はとても強そうです。
うぅん。そうじゃなくて。
実際にとっても強いのです。
「えと、えっと…」
すぐに答えられなかった僕にご主人様は、小さくお笑いになって「いいからまぁ、気にすんな」と言ってくれました。
僕が落ち着いて自分の年齢を言うと、そうか。と目を細められます。
僕が召喚されて半年が経ちました。
ご主人様は左目がまともに見れません。
とてもとても大きな傷が瞼を開けるのを邪魔して、薄くしか開けられなくて。
それで周りの…息子さん達に進められて護衛獣として僕を召喚して下さいました。
とても強くて僕なんか『護衛獣』は必要ないぐらい、なのですが。
ご主人様は僕を必要だと言ってくれて、そして頭をよく撫でてくださいます。
ご主人様はとても身体が大きくて。
僕は皆さんと比べて少し小さくて。
そしてその仕草は、まるでお父さんで。
僕はご主人様を見上げました。
「ご主人様」
「んー?」
それは身長だけではない、僕とご主人様の差。
「ご主人様も僕ぐらいなときはどうされてました?」
こんな情けないメイトルパの住人のように、誰からも必要とされず、誰からも相手にされない。
そんなわけはなかったですよね?
おかしなことを聞くなぁ、と呟きながらご主人様が茸をかごの中に入れます。
「ってか、レシィよりも根性なかったなー。俺」
「えぇ?!」
そんな馬鹿な、と僕は目を見開いて。
ご主人様が僕ぐらいな頃のお話を聞かせていただきながら、時間を過ごしました。
僕がご主人様に追いつけない、その差は。
圧倒的な経験も誇る。この『年齢』。
これはサイジェントに、あの四人の子供達が召喚される、僕とご主人様の平和な時間のお話。
サモンナイト 終焉の獣/主人公とレシィ
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