「違い・差がある2人 10のお題」

言葉使い





初めて彼の存在を知ったのは、義弟が夢で会ったと言った時。

「水の中で闘っていたから、起きたらおねしょしてるんじゃないかと思った」とか言ったので問いただしたら、とある少年からの救難信号を夢でキャッチして会いに行ったということだった。

それは瞬く間に隣の「風牙衆」の風巻さんに知られることになり、少なからずも小言を義弟は貰ってしまうのだが、それはまた別の話だ。

その、少年がうちにやって来た。

『使い人』とされる精霊使いの術者は、『付き人』と呼ばれる人を側に置くらしい。

俺はそのことは多少なりとも聞きかじっていたのだが、まさか義弟がその『使い人』になるとは思わなかった。

いや、厳密に言えば純粋な『使い人』ではないが。

それでも『使い人』の人達から選出された『付き人』たちが我が家に挨拶しに来た。

風・火・地。

それぞれの属性の力を持つ付き人達は皆、俺や義弟よりも年上の人だったが、それでもまるで目上の人間のように丁寧な言葉で接してきた。

だが、彼は違った。





「おっきー、宿題やった?」

「うむ。あのような問題なぞ簡単であったわ。主はどうだ」

「うん。大丈夫。国光兄ちゃんとか一緒に勉強してたからかなぁ」

「良かったではないか」

気が付いただろうか?

「苦手な科目などないであろう?」

「うぅん、あるよ。きっとおっきーだって苦手だよ」

「余に苦手なものなど…」

「おっきー、家庭科得意?」

「ぬぅ、それがあったか」

聞けば、有名な戦国武将の魂と融合してしまったそうだ。

だからと言って…。



「余も裁縫などは苦手でのぉ…。料理はまだましなほうだか」



…自分の事を「余」というのはどうだろう?



まぁ、どこかのファンタジー世界のラスボス(悪の親玉)は「我輩」と言っているようだが。

「おっきー、料理できるんだ! 僕、両方ともだめなんだよねぇ。ちゃんと判ってるけど実際に作るとなると…」



そんな相手に愛称をつけて呼べる義弟も義弟だが。 しかも「おっきー」。(似合わない)

俺は二人の会話を聞きながら、ふと笑う。。

「そうか、では苦手を克服するべく三人で今夜の夜食を作ろう」

「ほう、国光兄上も苦手か」

「や、夜食って何作るの兄ちゃん」

それでも、この二人の会話が自然に思えて順応してしまってる、俺も俺だ。




「二次創作 麒麟聖伝」主人公と付き人(水)の会話を聞いた手塚兄。

何気にまたタイトルにそってませんが(苦笑)。
微妙に誤字修正。

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