感情表現 10のお題




1・笑う

兄さんの口の端が上がるのを見て、僕は心の中のどこかで兄を恐れた。

兄、といっても今まで一緒に住んでいなかった、義理の兄で。

そして闘神士としては異例中の異例…素手で式神たちと闘う存在。

白虎のコゲンタに言わせると「いまだかつてそんな戦いをした奴なんていない」ということだった。

でも、僕達の前にその存在である兄は居る。



「貴様が、天流…」

「天も地も関係ないだろう。お前が俺たちを襲う限り、お前は『敵』だ」

冷徹にそういい切って、兄は僕達の前に立ってくれた。

「…いいだろう」

そして相手が繰り出したのは、黒い、虎。

「白虎のランゲツ、降神!!」

強い…。

肌がびりびりする…これが殺気というものかもしれない。




なのに。

本当に嬉しそうに。

兄は、笑った。


「…式神を降神させろ」

「その必要は感じないな」


静かに兄は構えた。

「さぁ、死合おうか」



その表情は、恐れもなく、怒りもなく。



強い敵に出会えたことの歓喜に染まっていた。



「…後悔するぞ」

「御託はいい。来い」


相手の闘神士の腕がふり上がった…!

逆行生徒/男主人公と闘神士・太刀花リク。





2・怒り

「べジータ。どけ」

心地いい殺気を感じてぞくぞくしながら振り返ると、そこにはあの地球人の男がいた。

カカロットの妻の兄。

フリーザとの戦いでは自分の義弟やその息子をかばい、フリーザに爆破された男。

そしてドラゴンボールで甦った男だ。

そして俺達とは違う戦い方しかできない男でもある。

「貴様誰に向って口を聞いている」

「…俺はどけと言った」

「ほぉ?」

いつもは下らん話をするおちゃらけた男で飄々としていてはぐらかす男がここまで殺気をむき出しにするのは珍しい。

「Drゲロ」

そいつは目線を荒野に落とし、よく通るその声で話しかける。

冷たい言葉に小柄な男がごくりと唾を飲むこむのが判る。

「お前を逃したのは俺の一生の不覚だった」

なるほど、確か少なからず因縁があったか。

かちり、とスカウターによく似た機械のスイッチを入れて荒野を再び見下ろす。

「おじさん…?!」

カカロットの息子に柔らかい笑みを向けるが、人造人間…いや、Drゲロだというそれに対して殺気はそのままだ。

「べジータ、ピッコロ。悟飯、あいつ以外に人造人間がいるなら他をくれてやる。だが、あいつはだめだ」

優しいといえる声音を使いながら、手に持っていた、文珠とやらが数個じゃらりと奴の手の中で踊った。

ピンッとはじいたその珠が轟音と共に荒野に一撃をくれている。

その光の中、まるで虫のように動く物体が見えた。

あれか。

俺は奴の『気』が変貌していくのを肌で感じ、目を奴に向けた。。

もはやこいつの戦闘能力は、俺達よりも下だ。

だが、得体の知れない文珠とやらの能力と、こいつの目、そしてこの『気質』は油断ならない。

びくり、と三つ目の男が震えた。

何に? この男が噴出すこのどすぐろい『怒り』と言うにはあまりある『気』の質を恐れてだ。

「お前は、俺が、憎悪を込めて殺してやる……!!」


カカロットの息子は思わず、ナメック人の影に隠れた。

面白い、まったく持って面白い。

人造人間ども、そしてカカロットが終れば、次はこの男を…俺が倒してやる……!!


もしも女主人公と悟空を結婚させた場合のDB創作においてが前提の、きっとこうすると思うVS人造人間編をべー様視点で。

小柄な男はクリリン、三つ目は天津飯のことですさ。


3.照れる



「にしてもよ」

ドワフィが親父に酒をついでやる音が聞こえてきた。

「バノッサって言ったか?」

「あぁ」

俺様の話題か?

眉根が寄る。

何話す気だ、あの親父ども。

「あいつぁ、強くなるか? お前以上に」

「あぁ?」

とくとくと酒の音が聞こえて。

「なるさ」

親父の言葉に、俺は一瞬呼吸を忘れた。

「血筋云々とかいうのは抜きで、あいつの集中力と瞬発力は並大抵のもんじゃねぇ。召喚術はいまだ毛嫌いしてるとこがあるがな」

「ほー」

ドワフィのおっさんは、親父の言葉を聞きながらぐびりと酒を飲む。

「剣術に関して、あの年齢であそこまで動ける奴はそうそういねぇ。加えて、下っ端連中まとめあげてるカリスマ性もある」

「てめぇがそこまで褒めるたぁ、珍しいな」

親父はくっくっくと笑った。

「あいつは強くなる」

どくん、と鼓動が強くなった。

「俺よりも、誰よりも。経験を重ねれば、誰にもまけねぇ男になるぜ」

「お前より、もか。そりゃすげぇ」

ドワフィのおっさんは言葉を続けた。

「末はなんにするつもりだ? 騎士団長か? それとも裏社会のボスか?」

「そりゃぁ、バノッサが決めることだ」

親父はそれでも続けた。

「もなぁ、でかい男になるんだから、そんなちぃせぇとこにまとまって欲しくねぇなぁ」

「もっとでかい男になるのは決定か」

「おぉ、決定だ」


親父が俺様を認めてくれたようで、照れくさくて、嬉しくて泣けてきそうになって俺はしばらく親父達のとこには戻れなかった。



名前変換創作 サモンナイト 終焉の獣。親父と長男。




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