「兎 人参化に人参にされたときはどうなることかと思いましたけど」
「そうね〜。あの方にも是非お礼を言わなくちゃね〜」
と夢見る乙女モードのブルマに俺はじと目を向ける。
ヤムチャがただで助けてくれてるわけじゃないだろうに。
まあ、逃げ出した俺が四の五の言える立場じゃないけどな。
「悟空も助けてくれて、ありがとう」
ほんのり微笑むあいつに、悟空は嬉しそうに笑った。
「オラ、いつでも助けてやっぞ?」
尻尾がゆらゆらと揺れる。
ものすごく笑顔なのは、悟空の特別があいつだから。
俺は困ったように、あいつの顔が笑ったのを見逃さなかった。
距離をおこうとしてるのは判ってるけど。
でも、俺は一応、悟空の味方だ。
そ っ ち の 方 が(反応が)面 白 い か ら。
「なぁ、お前よぉ」
俺はわざとらしくあいつを見上げる。
「はい、なんですか? ウーロン」
「それだけ?」
「はい?」
「お礼って「ありがとう」だけかよ」
「え?」
目を丸くするあいつに、にやりと笑ってやった。
「お、お礼を言うだけじゃだめなら…何をしてあげれば…」
「オラと一緒にいるって約束するとか!」
「そ、それは…」
ちっちっち、と舌を鳴らす。
「子供だな、悟空。口約束よりも具体的な行動してもらえよぉ」
「?」
「つんつんとかぱふぱふとか」
「変なこと教えるんじゃない!!」
いてぇ! ブルマめ、拳骨で叩きやがった。
おー痛ぇ…。
「なら、オラまた一緒に寝てもいいか?」
おめぇの胸ふかふかだから。
「こいつもエロガキだったか…!」
ブルマに言葉に目を見開くあいつ。
顔を紅くして、となりで尻尾を揺らす悟空に必死になって。
「そ、そんなのお礼になりませんよ、きっと…!」
「そうか? そんなら何がいいかな」
「ちゅーとかは?」
俺の言葉でまた、車の上で一騒動が起きたのは言うまでもない。