原作漫画のヒロインがどうしても好きになれずに作った覚えがある創作です。
2004/3/22 以前の作品
「……少し、乗ってかない?」
藤原拓海はそう言うと、戸惑っている をハチロクに押し込むと、エンジンキーを差し込む。
「藤原?」
「おい、拓海!」
イツキの声と、の声がかぶる。
だが、拓海は、そのままアクセルを踏んだ。
『なあ、お前、彼氏いねぇの?』
『いたら、こんなとこ来てないっつーの!』
これは知り合ってばかりのときの言葉。
『好きな人か…あ、いいな? っていう人はいるけど』
それが今の言葉。
(気に入らない)
ハチロクをいつものように…彼として…運転して峠を下る。
その間、ちらりとも彼女を見ないで、前をぼーっと見ながら、それでいてハチロクのスピードはかなり出ている。
「ひえええええっ、今日もジェットコースター並いいいっ!!」
なんて叫んでいる、の声に、心のどこかが反応する。
(いらついてるな……俺)
理由は、判っている。
(こいつが、が、好きな奴、いるって言うから…)
だからかき乱される。
クラスが同じになって、話し易くて。
そして可愛い。
好かれている、自信はあったのに。
(……他の男に、とられんのはやだな)
自分の本音に、自分で驚き、そして次に決心する。
「藤原?」
「拓海で、いいよ」
「え? あ、うん。じゃ、拓海君」
「呼び捨てでいいって」
「何、何、なに? どしたの、今日は!」
「うん、ちょっと……」
「ちょっと、何?」
ハチロクは街中に出て、そして住宅街をゆっくり走行していく。
街を一周して、そして、の家の近くまで行くと車をようやく止めた。
「拓海君?」
「呼び捨てでいいって」
目を見る。
その唇を見る。
そして、それから。
次の瞬間、拓海はの腕を引っ張り、自分に寄せると。
唇を合わせていた。
「…んで、こんなこと」
「宣戦布告」
誰に向かって〜〜?!
そんな彼女の心の叫びを聞きつけたように、だけれどもいつものあの眠そうな顔で。
「」
「はい?」
「じゃ」
いつの間にやら、ハチロクから出される。
「だから、何がどうなってなんでするのか、ちゃんと説明しろ! 藤原拓海〜〜〜!!!」
の叫びが、ハチロクを追いかけて行く。
これが恋?の、始まりかもしれない。
原作漫画のヒロインがどうしても好きになれずに作った覚えがある創作です。
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