「藤原!!」
「なに、怒ってんだ? 
イツキをふりとばす勢いで、休み時間に来た、


(まだ、判ってないのか)
鈍感だなぁ、と、きっとイツキに言うと「いや、お前も充分だぞ」なんて言われる言葉を胸の中で呟く。
(ま、でも、いいか)


怒っているの瞳は、けっこうきらきらしていて綺麗だ。
人の目を覗き込んできたんで、桜色の唇は至近距離。


(役得)
なんて思う。

「説明してもらうかんね!」
「いま、ここで?」
(俺はそれでもいいけれど)


のことを狙ってるのは何も自分だけではない。
その辺のことはイツキから自然に情報が入ってくる。
ここで既成事実(キスしたこと)をばらすのもいいかもしれない。
なにせ、ここは。
公衆の面前といってもいい、教室の中だし。


「い、いや、後ででいいけど」


気がついて、慌てて言う仕草も可愛い。
(やば、俺、惚れすぎ)
そう思う拓海だったけれど、表情はいつもの、あの「ぼ〜っ」とした顔だったから変化なんて誰もわからない。


「残念」
そんな拓海の口に上ったのは、こんな言葉。


「あ?」
「ここでなら、俺話してもいいけど」
他でなら説明すんの嫌。
「おおお〜、拓海が強気だ〜〜」
何があったのか判らないけれど、イツキはむしろ感動を覚える。
「うるさい! イツキ!!」
「で、どうする〜?」
きっと睨んでくる
少し涙目に(やりすぎたかな?)とか思ったのは一瞬。


「じゃ、頑張って考えて」
「き〜〜〜〜っ!! むかつく〜〜っ!!」


(やっぱ、俺、好きだな。こいつのこと)
「なんか、今日の拓海って、小学生のガキみたいな」
「へ?」
二人の様子を見ていた、イツキがぼそっとこう言った。
「好きな子、苛めて楽しんでるガキ大将みてぇ」

拓海は黙ってイツキに蹴りを入れた。
自分でも、よくそれが判っていたから。













第一次恋愛戦線に、現在のところは進展なし。



初UPした時のコメント:問題作、続編。 偽者度はかなり高くなっているけれど、許してくれれば幸いです。 そして短いね!判ってるさ!(爆死)

2004/3/22 以前の作品

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