「拓海。お前最近、機嫌がいいよな」
「うん」
「なんかあったか?」
「……うん」
「なぁなぁなぁ。なにがあった?」
「チュウした」
……。

「はい?!!!」



そしてそれは池谷達にご注進され。


「いやぁ、知らなかった。拓海ってのことが好きだったなんて」
「どうやって告たんだ?」
「そうだよ、教えろよ。拓海」
「告ってない」

へ?

「拓海さん?」
もしもし。普通付き合っている男女がちゅうするんじゃないんですか?
先輩達と、イツキの動きが止まる。

「無理やり」

きっぱりそう言うと、固まる三人を後にして、すったかすったか歩いて「いらっしゃいませ」と頭を下げに行く。


「やるなぁ、拓海」
店長の言葉に三人は我に返った。

「聞いたかよ! おい!!」
「む、むりやりって」
「拓海が一足先に大人になった〜〜」

「誰が大人になったって?」
「「「」」」

可愛い後輩で、スピードスターのマスコットになってしまった。
そして拓海が無理やり唇を奪ったが自転車を押してやってきた。

「あ、あのさ。…拓海…と」


ばちいいっ!!!


「いっ!」
「うわ」
「ひえええ」

冷たい空気が流れはじめる。

「藤原がなんだって」

(怖い!)

低いテンションの声で言われ、しかも目つきも鋭くなっていく彼女の気配に三人は息を飲む。

(拓海、お前嫌われてるぞ(汗))
(どうすんだよ、拓海)
(た〜く〜み〜)

三人の嘆きの声を聞いたのか、拓海がてくてくやってきた。

「先輩、頼みます」
「お、おう」
「イツキ、ちょっと代わって」
「うん」
「じゃ、俺、ジュースかってくっから」
「あっちの自販機100円です」

てきぱきとから三人を引き剥がす。

「じゃ、バイバイ」
「待てよ。
「…なに?」
「今度の休み、秋名湖行こう」
「いや」
「お弁当はが作ってきてくれ」
「だから、いや」
「卵焼きには砂糖入れてくれ」
「いかねえって行ってるでしょーー?」
「んじゃ、よろしく」
「聞け! 人の話を!!」


遠くから見つめる三人は。
「仲、悪いとしか見えないな」
「まぁ、むりやりキスしたとかいってたしな…」
「拓海、前途多難だ(自業自得だけど)」
拓海は毎回助けてくれる、ありがたい存在だ。
妹分のとは仲が良かったから、くっつくのも無理はないと思っている。
あんなに毛嫌いしてやらなくても、という気持ちが三人に芽生えた。
「これは、作戦が必要だな」
「作戦〜?」
「拓海とにですか?」
「あのままぎくしゃくなったら困るだろう?」
「まぁ、確かに」
「よし、俺も協力しますよ!」
とりあえず、ここの三人がただいま作戦会議中。



(作戦なんて必要ねえだろ)
店長は大人の余裕でそれを見ていた。
拓海がわざと「無理やりキスした」とばらしたのは池谷たちを牽制するためで。
あの言い合いはどう見てもじゃれついてるとしか思えない。

(ほっといたらいいのにねえ)
ぷかり。
店長は煙草の煙を吐き出した。


そうとは知らず。
「いかないったらいかない!」
「じゃ、迎えに行くから」
等と言うカップルがスタンドで言い合っていたとかいなかったとか。




初UPした時のコメント:すみません、久々だもんで(苦笑)。
拓海君シリーズで書いてみました。
支離滅裂っすね(涙)。

2004/3/22 以前の作品

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