「涼介さん、話ってなぁに?」
「ああ、ちょうどよかった。少しドライブに行かないか? 
言葉では誘っているけれど、もうすでに手には車のキーが握られていて。
断る理由もないのでは、「別にいいですけど?」と返事をして後を歩き出した。


高橋涼介。
レッドサンズのナンバー1。
そして今のところ、負けたのは過去に一回、秋名のハチロクのみ。

(そんなにすごい人、なんだけれど)
気さくで、話し易くて、判らないことには懇切丁寧に教えてくれる。
みんなの中心。
みんなの、憧れの人。

(そう、けして誰かのものにはなったりしない人)
そう考えただけで哀しい。

「はい?」
「何考えてたんだ?」
「えーっと…いろいろです」
「たとえば?」
「そろそろ自分の車のパーツ交換したほうがいいのかな? とか、ノートパソコンのバッテリーが壊れたから見に行かなきゃ、とか」
全然関係ないことばかりが口に上る。

「他には?」
「…っと、涼介さんのこととかv」
わざとおどけて言うと。
「それは嬉しいな」
そう、微笑されて、何も言えなくなる


駄目駄目駄目。
期待させないで。


「あの、涼介さん?」
心臓が痛い。

「そんな顔、他の男に見せたことないよな?
「え?」

「見せていたら、結構ショックだな。俺は」
「ど、どんな顔です?」
変な顔でもしてるのか? と、頬を抑えるに、涼介はくすりと笑う。
「すごく美味しそうな顔」
(ど、どうコメントしていいのかしら)
戸惑うに、またも彼はいたずらっ子のような笑みを向ける。

「ほら」
やがて車が止まる。

満天の星。
小さな観測所の近く。

「この間、啓介達と一緒に見つけたんだ。星がすごく綺麗だろ?」」
「はい!」

「なんだか、こんなに星が綺麗だなんて、あたし知らなかったです」
森の中から見あげる空は、本当に綺麗で。

「あ、流れ星!」
「本当だ」
は静かに三回願い事を唱える。

「何をお願いしたんだい?」
「秘密です」
即答すると、またいたずらっ子のような笑みを向ける。
「当てて見せようか?」
「へ?」
「俺の恋人になりたい、じゃないのか?」

そんなこと、言わないで。

「な、なに言ってるんですか、亮介さん」
あたしがお願いしたのは、もっともっと走り屋としての腕が上がりますように。ってことですよ。
が、そう言おうとした瞬間に。

「ああ、悪い。今のはの願い事じゃないな…俺の願望だ」

…え?…

振り向くと、ふわりと優しく微笑まれ。

「じょ、冗談は止めてくださいよ…」
「あいにく、俺はこういうことでは冗談は言わない主義なんだ」

「返事は? それとも、信じられない?」
近寄られて、抱きしめられて。
現実と気がつく。

。覚悟してくれないかな? どっちにしても、俺は…けっこう独占欲が強い方だから」
断られてもあきらめない。
OKならでも…離さないから。

「あ、あのっ」

が何か言う前に、涼介は彼女の耳の元で囁いた。


「君が、好きだ……」



初UPした時のコメント:掲示板で読んでみたいという方がいらっしゃったので作成してみました。

そして失敗(滝汗)。すんません。
かなり偽者度が他のものよりUPしている気がしないでもありません。

2004/3/22 以前の作品

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