マジで?
嘘だろ?
けれど、あいつが姉を見る目は確かに熱っぽい。
あいつは誰かって?
あの、警視庁が誇るエリートキャリア様、明智健悟様だよ!



俺がそれに気がついたのは、あの事件…俺の大事な親戚(と、言っても遠縁なんだけどね)の様vに連れられて行った船上パーティで起こった殺人事件…を無事に解決して東京に戻って、一週間たった頃。

お姉さま〜んvv」

レストラン前で見慣れた後姿を確認して、俺は思わずおねだりモードに入った。
いや、姉って親とか兄弟とかいなくて一人暮らし。
時々、うちの親に言われて近況報告とかしに来てて、俺にとっては本当のお姉ちゃんみたいな存在なんだよな。
うん。
深雪とは違った、家族そのものな人。

「あら、一」

にっこり笑ったその顔は特別美人っていうほどじゃないと、思う。実際。
でも、可愛いっては思える。
俺の自慢のお姉ちゃんv

「学校はどうしたの?」
「天気いいから、ふけちったv」
「もう、そんなことしちゃいけないって言ってるでしょう?」
お姉さまv お昼おごってvvv」

そう言ったら、たいてい奢ってくれるんだよな、姉v

「補導されたいんですか? 金田一君」

げ。

「なんであんたはこんなとこにいるんだ〜〜〜?」
「それはこちらの台詞です。金田一君」

明智警視があの、嫌みったらしい笑顔で立っていた。

「学生が平日の、しかもこんな時間に勉学もしないで何をしているんですか?」
「天下のエリート様もえらい暇してるよな〜。凶悪事件が多発してるんだから取り締まりに行けよ! 今すぐ、さっさと!」

「一」

少し姉の怒った声に、俺は口を尖らせる。

「だってさ、姉」
「だってじゃないでしょう。今日は授業をサボっている、一が悪い」
「ううううう」

そーーなんだけどさーーー。

「さっさと学校に戻りたまえ、金田一君。じゃ、さん」

さん?

「入りましょうか」

おいおいおいおい、ちょっと待てぇぇいっ。
なんでお前が姉のこと名前呼びにしてるんだよ。
うわっ、しかもあのタラシ顔!
姉!

「なあに、一」

明智さんから視線をそらして、俺を見つめる姉は普通。
うん。
だけど。
明智さんは。
うわっこええ!!
睨んでるよ、銀縁眼鏡で!
怒ってるよ、マジで!

…なんで?

…まさか……?

姉と…?

いや、姉にはその気がないから。
なら。
明智さん姉のこと好きなの〜〜〜〜???!!

「一、どうしたの? 顔赤くしちゃって。熱?」

いつものように、おでことおでこを合わせて熱を測ろうとする姉。
後じゃ、かなり怒りまくっている明智さんの顔。

まーじーだーーーー

「だ、大丈夫。姉っ」

本気で殺意を感じて、押しとどめて。
そして、俺はその時こう決意した。

邪魔しちゃる。

俺の大事なお姉様を、あの、明智さんにとられるのはマジで嫌だ。
だってそうなったら、俺と明智さん、親戚じゃ〜〜ん?

いーやーだーーー。

「お昼奢ってくれたら、俺大人しく学校に戻るからvv」
「もう、仕方ないわねぇ」

よし、OK。

「え? さん?」
「すみません、明智さん。うちの弟分も、ご一緒させて大丈夫です?」

視線が痛いっ!
けど我慢しろ、俺!

「ま、仕方ありませんね。さんがそう仰るなら」
さり気に俺は姉と明智さんの間に入る。


さっきの自分の想像に、鳥肌が立つ。
花嫁姿の姉(これは嬉しい)。
花婿な明智さん(これが嫌だ)。
そして親戚な、俺。
うがぁっ!
そんな冗談、止めてくれええ!!


初UPした時のコメント:金田一一、心で吠えるの巻。
作成時間、短くって1時間半。
明智さん創作が中途半端になっていたことで、申し訳ないっす、これで勘弁してくださいv
と、作成しました。
金田一君は別にちゃんラブって言うわけではないです。仲のいい、お姉ちゃんがとられるのが嫌なだけ。

2004/3/22 以前の作品

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送