「なあ、金田一。オマエもうした?」
「お前らなあ、それっきゃねえのか!」
「だってオマエ、相手いるじゃん」
「はあ?」
と、やってねえの?」


やりてえのは山々なんだよ。


思わずそう言い返そうになったのは今日の休み時間のことで。


「お、おい。?」
思わず俺・金田一一は声をかける。
まあ、小声で。
バイト、バイトで正直くたくたなんだけど、どうにかカップラーメンで飯を食い、風呂にも入って「さあ、寝よう」って時になんで、俺の部屋にがいるんだよ。

しかも…その、…パジャマで。

声をかけようとして、止める。

こいつってこんなに華奢だっけ?
こいつってこんなにいい匂いしてたっけ?

小さな頃、俺の後ろをついてきたが思い出されたけれど。
それは一瞬で。

寝返りうつの顔見て思った。

やべえって。
マジで。


オマエ、俺のこと男って思ったことないだろ?

胸の中になんか熱いものが生まれて、指ってーか手がの頬に触れた。

高校生になってからも、小さな頃のままにずかずか俺の部屋きやがった。

キャミソールにショートパンツってときもあったし。

今日みたいなパジャマの時もあるし。

俺はなあ、男なんだよ。

いつまでも、お前の横にいたガキのまんまじゃねえんだぞ。

…本当ならこのまんまヤっちまっても、お前文句いえねえぞ?

判ってんのか?

ギシ。

ベットが悲鳴を上げた。

まだは起きない。

半開きになった唇。

…やっちまうか、なんて思い浮かべて。

俺は半分その気になって。
子供の頃みたいに、こいつを独占したくて。
唇に唇を寄せた時。


「……はじめちゃん……」

寝言だ。
判ってる。
何見てるか判らないけど。
俺が出ていることは確かで。


それでどこかで満足してる俺がいる。


タオルケットをにかけて、子供そのままの独占欲と少しもたげていた欲望を押さえ込む。

「貸し、1なんだからな」

もう一枚のタオルケットに包まって、ぱたりと倒れこむ。

子供のままに触れたい俺と、大人みたいに物分りのいい俺がせめぎあう。

………女にゃわかんねえだろうなあーああああちくしょう。

ぱたり。

倒れてぐるぐる動いて、そのまま俺は眠りについた。

女にゃわかんねえんだろうなあ。

はあ。

いつまでも大人の俺が勝つと思うなよ。







次の日の朝。

ぎゃんぎゃんわめくに「子供な俺」が耐え切れなくてキスして告白するのはまた別の話。



初UPした時のコメント:小説版「金田一少年の事件簿」にてこういう描写があったので、そりゃあ健全男子としちゃあたまらんだろうなあ、と思い製作。
タイトル変だねこの話(苦笑)。

2004/3/22 以前の作品 2001.09.12 UPしてたみたいです。

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