ナミとが攫われちまって、俺たちはドロボー兄弟の二人に案内してもらってねじまき島ってとこまでやってきた!
サンジとウソップがぶちぶちなんか言ってるときに、アキースの奴がそれを鳴らす。
オルゴール、ってやつだな。
の奴は、気に入るかもしれねぇ。
だってあいつ、あのからくりのおもちゃ、俺が手渡したらちゃんと砂とか埃をきれいに手で払って、あの金色の瞳で見てたんだもんな。

「そのオルゴールはたったひとつのアキースの故郷なんだ」
「故郷?」

海に流されたアキースが子守唄代わりに聞いていたオルゴールの音色はきれいで、少し悲しくも聞こえる。
俺は片手を頭にやって、タカラモノの感触がないのに顔をしかめた。

……シャンクス。

シャンクスの笑顔を思い出して、それからあいつの顔が頭に浮かぶ。

帽子をかぶせられたとき、ほんのちょっとだけだけど、あいつびっくりしたんだ。
なんも浮かばない、顔だけど。
瞳だけど。
頑固に俺の仲間じゃねぇって身体でいう奴だけど。
けど、少しだけ感情を出した俺が決めた仲間。
ナミも当然、助け出す。
メリーも取り返す。
と帽子も助け出す。

よし!

小さな渦潮を横切って、ついた島は。

「あれが、ねじまき島か…」

ゾロの呟きにウソップが「うっそだろ〜、なんだよあの島〜」的な顔になった。
でかい岩みたいな奴の上に、これまた太くてでかいねじみたいなのがで〜んと立ってる不思議島だった。
「さぁ、どうする? 俺たちはダイヤモンドクロックを盗みに行く。お前らは仲間と船を取り戻す。目的地は、同じトランプ城だ」
「ナミさんとちゃんをさらったくそ海賊どもの根城…っ!」

サンジが怒ってる。

「そこにゴーイングメリー号も…!」

ウソップも決めた。

「俺の刀もな」

ゾロもだ。

「このまま一緒に目指そうぜ。トランプ城へ!!」
「おう!!!」

俺は大きく頷いた。
待ってろ〜〜〜っ! 、ナミ、メリー号!!
島に着いたけど、ほんとう、すげー面白不思議島だ!!!
「奴らが海を荒らしにまわる夕暮れに…」ってなんかボロードとウソップがいってっけどそんな暇もねぇし、冒険してぇし、こっちの方が面白そうだよな?

「いちいちびびってられっか」(サンジ)
「めんどくせぇからとっとと行こうぜ?」(ゾロ)
「おんもしれ〜〜〜」
「ボロードの言うことを聞け〜〜」とかアキースがいってっけど俺たちはずんずん上に上がった。

やっぱ罠でよ。

階段の段がなくなってすべりまくるわ、水は来るわ流されるわ、流された先にはとげとげが待ってるわ、なんとかしのげたら岩の玉が転がってくるわでえれ〜めにあった。
ま、サンジが岩を蹴り飛ばして、ゾロがたたみ返しの要領で床返ししてくれたおかげで足場できて一気に駆け上がったら。

「とうとう町に出たぜ!」
「うぉおおおおおおおっ、なんじゃこれ? なんじゃこれ? おもしれぇえっ!!」

町にある家は全部ねじまきみたいな線が入ってる。
もちろん、土地もだ。

「なんだこの町は」

ウソップも目をむいてる。

「これがねじまきタウンだ」

ボロードが教えてくれる。

「あれがトランプ城か」

見上げたら、確かにそこにダイヤモンドクロックがあるのがかすかにわかって、その城の上にメリーがあることもボロードが教えてくれて、ウソップが確認した。
こいつら目、いいなぁ。
と、思ったら、思い出した。

俺ら、飯食ってねぇ。

「おっし、さっそくいくぞ!」
「よっしゃぁ! トランプ城に殴りこみだな?!」
「飯だ!」
「そして着替えだ」

ウソップがそういい、後ろでボロードがこちゃごちゃいってっけど俺たちはタウンの飯屋と服屋に入った。
アキースもなんかウソップに言ってるみてぇだけど、まず俺らがちゃんとまともになんねーと、助けられるもんも助けられねぇだろう?
なんでそれがわかんねぇかなぁ。
それに腹、へったしよ。俺。
俺は先に飯屋に行ってたらふく肉を買う(代金はボロード払い)と、服屋の先にある面白いのおいてる店で立ち止まった。
わー、きれいだなぁ。
面白い形してっし…。
、見たら喜ぶんじゃねぇかな?
こういうランプよかは、風車みてーな奴がいいかもな。
動くし、俺が楽しいし。
そう思って眺めていたら、服屋でまともな格好になってきた連中と合流して、この町の人間と話す羽目になった。
トランプ海賊団に武器を作らされているという町の連中。
あきらめてる連中。
嘆いてる連中。
無理とか言い切ってる連中。
どこかその姿が、と重なって、そしてどことなく腹が立った。
はどこかで命をかけているけれど、自分の身体をかけているけれど。
こいつらは嘆くだけでなんにもかけちゃいない。

「死んでしまったら、未来はないんですよ!?」

確かにそうかもしんねぇけどな。

命かけなきゃ、未来は開けねぇ

「え?」

そいつが聞き返し、ゾロたちが振り向いて笑ったから、俺も笑った。

「だろ? じゃ、行くか!」
「おう!」(ゾロ)
「待っててください、ナミさん、ちゃん」(サンジ)
「いてっ」(アキース)
「お前、なにやってんよ」(ウソップ)
「アキース、行くぞ」(ボロード)
「あぁ!」(アキース)


俺たちは全員でトランプ城に向かった。


2007.04月頃UP

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