コナン視点
「…あれ? 蘭姉ちゃんたちは?」
探偵団の皆を呼びにウソップのとこに行ったぜ。…? クソゴムはどうした?」
「…くんと一緒に食べるから持ってきてくれって」
「あぁ? …ったくしょうがねぇなぁ。うちの船長は」
そういいながらサンジはテーブルの上に今日の朝食を並べていく。
「ねぇ、くんってすごく年下だよねぇ」
「…今はな」
そういいながらサンジはごとり、と大皿をおいて、それからルフィとの分を違う皿を用意してそこに盛り付けていく。
今は?
「今はってどういうこと…?」
「以前にな、医者を探しに行ったとき俺がどじ踏んじまってぶっ倒れたときがあった。その場にいたのは動けないナミさんとナミさん担いだルフィ。それにちゃんだった」
てきぱきと動くサンジの様子に俺はその言葉を待った。
「そのときに、俺を担いで5000mのドラムロックを登ったのは、ほかならぬちゃんだ」
5000m?! いや、その後だ。
「サンジ、兄ちゃんを担いで…?」
「そう」
サンジはそう頷いた。
「今の格好じゃ担げないから元の悪魔…人修羅の姿に戻ったってことだ。ルフィしかその姿は見たことなかったんだけどな」
「じゃあ、少なくともサンジ兄ちゃんと同じぐらいの体格だったってこと…?」
「そういうこった。つーことは、今の子供の姿じゃなく、大人かあるいはそれに近い年齢の姿が本来の姿ってことだ」
サンジは結構頭が回る。
アラバスタのときも、あのクロコダイルとバロックワークスの連中を、チョッパーを使って誘導し、仲間達を助けた一連の行動は『コック』以上の働きだと思う。
本人に言えば「俺は『コック』で『海賊』だからな」という答えがきっと返ってくるだろうから言わないけれど。
「それから、ちょーーっとルフィがちゃん見る目が変わったっつーか…」
「え?」
「最初は子供扱いだったのさ。きっと弟と妹、半々に思ってたぐらいじゃねえの?」
けれど、と言葉を切ってコックは呟くように言った。
「今はめっきり『女』扱いだ」
「…でも今のくんは…」
少年で子供だ。
「関係ねーんじゃねえのか? うちの海賊王には」
すぱっと言い切ってサンジは俺を見下ろす。
「お前が蘭ちゃんのこと、好きなように」
でぇえ?!
目をむくと、サンジがにやっと笑った。
「女性を見る野郎の目には敏感なんで」
こ、こいつ、あなどれない…っ!!