哀視点
「七段変形面白トナカイだからな、チョッパーは」
「俺は、医者だ!!」
あたし達の傍でそう騒ぐ船長とトナカイ人間の攻防をおとなしく聞いていたら、ロビンの話を聞き終わったが部屋から手を繋いでやってきた。
「あら、楽しそうね。船長さん」
「おう! チョッパーってビームでそうだよな?! お前もそう思うだろ? ロビン」
どうかしらね、とくすくすと彼女は笑う。
バロックワークス社の副社長だった彼女は小さくだがちゃんと笑えていた。
「…前より雰囲気が柔らかいわね」
「え?」
「こちらの話」
あたしの呟きに気がついた彼女をそう誤魔化す。
「何の話をしてたの? 」
そう聞くと口を大きく動かす。
絵本、読む。
「絵本?」
「サウスブルーの童話を判りやすく書いた本があってね、それを教えていたの」
「なんだ、それなら俺らも聞いたのによ」
「そうですよ!」
「あたしも〜」
探偵団の皆からそう呼ばれて小首をかしげる。
無表情だけど、その顔の下にはちゃんと感情が渦巻いているのをあたし達は知っている。
だからあたし達は小さく笑顔をお互い交し合った。
「なぁ! !!」
あたし達の話にルフィが割り込んだ。
「チョッパー、ビーム出しそうだよな?! ミサイルもいいけどよ!」
「出るか!! そんなもん!!」(チョッパー)
「…」
ルフィには金色の瞳を向けた。
「え」
少しの間絶句して、ルフィがの肩に手をやった。
「どうかして? 船長さん」
「今、お前何つった? ナナシ」
「…」
「、なんだって?」
いつの間にやら呼び捨てで呼ぶようになった工藤君に、ぐるりんとルフィは顔を向ける。
「……今の姿じゃ無理だけど、封印解けたら僕、ビーム出せるよって」
「「「「「え!!??」」」」」(全員)
「び、ビームだぞ!? !!」(チョッパー)
「あらあら、本当? 人修羅君」
ロビンの言葉に大きくは頷いた。
「えええええええ!!!!!」
…。
…。
…。
「すごく、興味深いわ」
あたしが真顔でそういいながら彼の手を取ると、金色の瞳があたしを見つめる。
「ぜひ、封印解いた状態で身体検査させてほしいの」
「おいおいおいおい、灰原っ」(コナン)
「どっ、どこから出すんだ? 口か?」(チョッパー)
「やっぱ、目だろ?!」(ルフィ)
「…」
「目だってよ!! 見てみてぇよな!?」
「「うん!」」
「よしなよ、は封印といてくれないって。ねー?」
工藤君の言葉に頷くに、あたし達はそろってブーイングをしてしまい、またロビンに小さく笑われてしまった。